【工事写真の撮り方:建築設備編】各種資料とポイント・リンクまとめ
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工事写真の撮り方や管理については、参考となる基準があり、写真の分類方法や用途について資料にまとめられています。
建築設備工事における工事写真の撮り方についてポイントを整理しましたので、初めて工事写真を撮影される方や、効率的に撮影したいとお考えの方は、ぜひご参照ください。
目次
国土交通省監修の書籍『工事写真の撮り方 建築設備編』
工事写真の撮り方を解説する書籍も発刊されており、プロジェクトごとに多少の基準は異なりますが、撮影の基準は以下の内容と概ね同様となります。
『工事写真の撮り方 建築設備編』は国土交通省の監修の下、一般社団法人公共建築協会が編集している資料です。官庁施設における工事写真の撮り方や、写真の整理に必要な事項、台帳の作成の方法を定めた「営繕工事写真撮影要領」について解説しています。
施工の各段階ごとに工事写真を撮る際のポイントや注意事項などをわかりやすく説明しています。
この書籍はAmazonなどでも購入できます。参考までにリンクを掲載します。
>Amazon『工事写真の撮り方(建築設備編) [改訂第3版] 』(リンク)
「機械設備工事編」と「電気設備工事編」を独立させた書籍も
上述の書籍『工事写真の撮り方』では「建築設備編」として、機械設備工事と電気設備工事が併記されていました。
この2つの工事をそれぞれ独立させて記載し、同じ監修・編集の下で発刊されたのが『工事写真撮影ガイドブック(機械設備工事編)』です。撮影対象表に合わせた構成で分りやすく編集されていて、工事種目ごとに大幅に写真を充実させています。
この書籍も同じくAmazon等で購入できますので参考にリンクを掲載します。
>Amazon『営繕工事写真撮影要領(平成28年版)による工事写真撮影ガイドブック 平成30年版 機械設備工事編』
なお電気設備工事における工事写真の撮り方について知りたい方はポイントを以下に整理しています。ご参照ください。
>『【工事写真の撮り方:電気設備編】ポイントまとめ(国土交通省PDF資料リンク付き)』
工事写真の撮り方について、基準を定めた「営繕工事写真撮影要領」
上記の書籍の内容はいずれも「営繕工事写真撮影要領」をベースにしています。
建築設備工事に限らず、あらゆる工事について写真の仕様や撮り方を定めているのが「営繕工事写真撮影要領」です。
国土交通省官庁営繕部と地方整備局等営繕部が官庁施設の営繕を実施するための要領として制定したものであり、2021年9月時点での最終改定は令和3年3月31日です。
当該要領は、「公共建築工事標準仕様書等に係る工事写真(電子媒体による提出を含む。)の撮影及び整理に適用されるもの」と記載されており、工事写真の仕様や撮影方法、注意事項などが詳細に記されています。
工事写真の撮り方の基準にあたるものであるため、一読されることをお勧めします。
工事写真の撮り方 建築設備編:ポイントまとめ
営繕工事写真撮影要領の中にまとめられている内容を抜粋して紹介します。
工事写真の仕様
工事写真の仕様は以下の5点が定められています。
- 工事写真は、原則デジタル写真とする。
- 色彩は、カラーとする。
- 有効画素数は、100万画素程度から300万画素程度とする。
- 大きさは、1,200×900ピクセル程度から2,000×1,500ピクセル程度とする。
- ファイル形式は、JPEGとする。
撮影方法(黒板の記載事項)
工事写真を撮る際は原則として、以下の項目のうち必要な事項を記載した黒板
を撮影対象とともに写し込むよう規定されいています。
- 工事名
- 工事種目
- 撮影部位
- 寸法、規格、表示マーク
- 撮影時期
- 施工状況
- 立会者名、受注者名
- その他
注意事項(編集の禁止)
工事写真は一切の編集が禁じられています。営繕工事写真撮影要領には次のように記されています。
“工事写真の編集を行ってはならない。ただし、「デジタル工事写真の小黒板情報電子化に
ついて」(平成29年3月1日付け、国営整第211号)に基づく小黒板情報の電子的記入はこれ
にあたらない。”
撮影時における現物の小黒板への文字記入は業務の不効率と作業員の負荷増大の原因になっています。小黒板情報の電子化を進めることでこれを解消しようとする動きが国土交通省によって実施されています。
この活動について詳細を記したのが以下の「デジタル工事写真の小黒板情報電子化について」です。
>『国土交通省大臣官房官庁営繕部 デジタル工事写真の小黒板情報電子化について』
工事写真における小黒板は、「デジタル工事写真の小黒板情報電子化対応ソフトウェア」の中から任意のアプリ・ソフトを選んで使用することが一般的になっています。
撮影対照表(機械設備工事編)
営繕工事写真撮影要領に記載された内容を一部抜粋して掲載します。
機械設備工事における撮影対照表です。
撮影対象表(機械設備工事編) |
|||
工事種目又は分類 |
撮影項目 |
撮影対象 |
撮影時期 |
一般事項 |
着工前の状況 |
敷地、周辺の状況等 |
着工前 |
改修前の状況 |
改修前の状況 |
着工前 |
|
工事現場管理 |
工事関係表示標識等の掲示状況 |
掲示時 |
|
養生(既存施設部分及び工事目的物の施工済部分) |
施工中 |
||
安全対策 |
実施状況(工事現場内、周辺の対策、第三者対策等) |
施工中 |
|
法令等に基づく措置状況 |
施工中 |
||
環境対策 |
実施状況(騒音、振動、臭気対策等) |
施工中 |
|
法令等に基づく措置状況 |
施工中 |
||
障害物 |
障害物の位置、形状、寸法等 |
発見時 |
|
障害物の処理の状況 |
処理時 |
||
障害物の処理後の状況 |
処理後 |
||
発生材 |
分別状況(集積状況) |
搬出前 |
|
搬出状況(搬出業者名が分かるもの) |
搬出時 |
||
廃棄状況(廃棄場) |
廃棄時 |
||
仮設 |
機材置き場、足場等の状況 |
施工中 |
|
指定仮設の状況 |
施工中 |
||
躯体穴開け等 |
鉄筋,埋込配管等の探査の状況 |
施工時 |
|
はつり及び穴開け作業の状況 |
施工時 |
その他にも工事種目ごとに詳細が掲載されていますので、確認されたい方は上記の営繕工事写真撮影要領のリンクをご覧ください。
まとめ
工事写真の撮り方には細かい基準が定められており、建築設備工事においても工種毎に撮影対象や撮影のタイミングが決まっていることが分かりました。
工事写真を撮るにあたってはデジタルによる撮影が基本であり、さらには黒板の記載についてもアプリを用いるなどしてデジタル小黒板で対応することが一般的であることもお伝えしました。
工事写真の分類や撮影、管理には、使い慣れたスマホで作業を完結できる工事写真台帳アプリが圧倒的に便利です。工事写真台帳アプリをお探しの方は無料で試せるアプリ「ミライ工事」をお試しください。